秩父の古民家で漆喰塗りを初体験してみて、改めて気になったのが「材料の選び方」だ。ホームセンターで手軽に買えるものから、左官職人が使う本格素材まで、漆喰の世界は思いのほか奥が深い。

自分と同じように「やってみたい」と思っている人のために、レベル別に整理してみた。


まず知っておきたい:漆喰の基本成分

漆喰の基本は「消石灰+スサ(繊維)+糊+水」のシンプルな組み合わせだ。

  • 消石灰(水酸化カルシウム):漆喰の主原料。強アルカリ性で抗菌・防カビ効果がある
  • スサ(麻や藁の繊維):ひび割れを防ぐ補強材
  • (海藻由来が伝統的):接着力と粘りを出す
  • 貝灰:牡蠣や帆立の殻を焼いた石灰。白さと柔らかな質感が特徴

市販品の多くはこれらを配合済みで販売している。自然素材100%のものと、アクリル樹脂などを混ぜた扱いやすいタイプがある。


レベル別:おすすめ材料と特徴

① 完全初心者・お子さんと一緒に

「漆喰うま〜くヌレール」(日本プラスター)

蓋を開けたらそのまま塗れる練り済みタイプ。壁紙の上からも塗れる。コテに慣れていなくても延びがよく、失敗が少ない。カラーも18色から選べる。

  • 入手先:ホームセンター、Amazon、楽天
  • 税込価格:18kg ¥15,950(メーカーHP)

「ひとりで塗れるもん」(オンザウォール)

漆喰の原料となる炭酸カルシウム(石灰石)を主成分とした自然素材系の材料。 優れた湿気の吸放出性能により、部屋の湿気や乾燥のバランスを調整機能も。

  • 入手先:ホームセンター、通販各社
  • 税込価格:11kg ¥8,800円(メーカーHP)

② DIY中級者(コテ扱いに慣れてきた方)

ロハスウォール 漆喰(ロハスウォール)

自然素材100%、化学物質・ボンド不使用。プロ用と同じ品質をDIYでも使えるよう展開している。シーラーと専用下塗り材を使った本格施工で、調湿・消臭性能が高い。

「漆喰美人」(アトピッコハウス)

本漆喰よりも施工性が良く、DIYも可能なプロ用製品。調湿・消臭性能が高い。石膏ボード下地に対応しており、現代住宅のリフォームに向く。


③ 器用な素人・古民家DIYに挑む方

「島かべしっくい」(田中石灰工業)

淡路島の塩焼き消石灰を使った本格漆喰。消石灰・炭酸カルシウムのシンプルな成分構成で、施工2〜3日前から練り置きして使う。外壁にも対応。古民家再生に実績のある材料。

  • 入手先:モノタロウ、建材専門店
  • 価格目安:20kg 約5,000円〜

「しっくいのチカラ」(日本プラスター)

塩焼き消石灰・貝灰・麻スサ・海藻糊の伝統配合。袋ごと足で踏むだけで混ざる手軽さが特徴。100%自然素材で、パターン仕上げがしやすい配合になっている。

  • 入手先:Amazon、建材店
  • 価格目安:10kg 約4,000円〜

④ プロ・社寺仏閣・文化財レベル

「土佐しっくい21」(高知県石灰工業)

土佐和紙の麻スサを使った伝統漆喰。外壁専用で、温度・湿度変化の激しい屋外条件に対処するために設計されている。文化財・社寺仏閣の修復にも使われる。

  • 入手先:建材専門業者経由

炊き糊漆喰(各地の専門左官材料店)

「塩焼き消石灰」「貝灰」「海藻糊(炊き糊)」「油」を配合した日本伝統の製法。施工前日に職人が自ら配合し、一晩寝かせて使う。市販品ではなく、左官職人や専門店から入手する。

  • 入手先:左官材料専門店(「杉田建材」「田島左官材料」など)

スイス漆喰という選択肢も

近年、ヨーロッパ産の高性能漆喰も注目されている。

カルクウォール(イケダコーポレーション)

スイス・アルプスの高純度石灰石が原料。教会や公共施設での30年以上の実績があり、防カビ・消臭・高い調湿性を持つ。マンションリノベーションにも使われている。


まとめ:自分のレベルと目的で選ぶ

レベルおすすめ製品特徴
完全初心者うまくぬれーる、ひとりで塗れるもん練り済み、壁紙の上から可
DIY中級ロハスウォール、漆喰美人自然素材100%、調湿・消臭性能高
古民家DIY島かべしっくい、しっくいのチカラ伝統配合、外壁対応
プロ・文化財土佐しっくい、炊き糊漆喰専門施工、伝統工法

漆喰は「選び方」と「下地処理」で仕上がりが大きく変わる。まずは小さな面積で試してみることをおすすめしたい。

漆喰・自然素材リフォームのご相談は Bristlecone(ブリストルコーン) へ。